教区報

教区報「あけぼの」

あけぼの2019年9月号

巻頭言「聖霊の実」

 

使徒言行録は使徒たちの生活と行跡が込められた書です。使徒言行録は、私たちに使徒たちがどのくらい情熱的に復活されたイエスの福音を伝え、主のみ名で奇跡を行ない、互いに愛と喜びを分かち合い、生きていたのかを伝えています。

 

 

東北教区の皆さん、使徒言行録のみ言葉を聞きながら、皆さんは何を感じますか?「私もそうしたい。」「私もそんな信仰を持って福音を伝え、喜びを分かち合い、人々に喜びを与えたい。」と思っていませんか?皆さんもそうすることができます。私たち自身の力だけでは不可能でも、復活したイエスが、私たちの中に一緒にいらっしゃると信じ、イエスにすべてを任せると、イエスが私たちの中で驚くべきことをされます。

 

使徒たちが喜んで福音を伝えることができた力はどこから出てきたのですか?恐怖に震えていた弟子たちが闇から出てきて、大胆に叫ぶことができた力はどこから来たのでしょうか?聖霊を受けたからでした。聖霊は誰ですか?復活されたイエスの霊です。復活されたイエスを体験した使徒たちは聖霊を受けてすぐに、イエスと一緒に福音を伝え、大胆に叫ぶことができるようになったのです。イエスは「かの日には、私が父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる」(ヨハネ14:20)と言いましたが、果たしてそうなったのです。

 

イエスは明らかに約束をしました。世の終わりまで、あなたがたと一緒にいるだろうとパウロは言います。「イエスは生きておられます。」私たちは、イエスは生きておられるという意味を正しく理解していなければなりません。また、パウロは「イエスは霊です。」と叫びます。つまり、イエスは聖霊の中で生きておられるのです。

 

「聖霊の中に生きておられる。」その意味は何ですか?聖霊の実が何なのかを考えると、より簡単に理解することができます。パウロがガラテヤで話している、聖霊の実とは何ですか?愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、そして節制です。実を見れば、その木を知ることができるでしょう。聖霊の中に生きておられるということは、愛の中に、喜びの中に、平和の中に、寛容の中に主が生きておられることを意味します。

 

私が誰かを本気で愛しているなら、その人との愛の中に主が生きておられます。私が純粋な喜びを持っているなら、その喜びの中に主が現存しているのです。私が誰かとの出会いの中で真の平和を感じた時、その出会いの中に主が生きておられるのです。私が誰かのために苦難を我慢したら、その寛容の中に、主がともにおられます。

 

 

東北教区の皆さん、私たちが聖霊を受けたことをどのように知ることができますか?その実を見れば知ることができるのです。毎日喜んで生きてください。その喜びの中に復活された主が生きておられます。他人に善を与えてください。その先に主が喜んでおられます。柔和な心を持ってください。その心の中に主の平和があります。

 

司祭 ドミニコ 李 贊煕(仙台聖フランシス教会牧師)

 

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