教区報

主教コラム

ほそ道から 第8回「教会って何?」

 9月16日(日)から17日(月)の2日間、若松諸聖徒教会を会場に宣教部主催の教区修養会が開催されました。今年の修養会のテーマは「教会って何?」という、私たちの原点を探るものでした。
 

 

 お気づきになっておられる方もおられると思いますが、今の祈祷書の「教会問答」は「教会とは何ですか」という問いから始まります。それに対して前の文語の祈祷書(1959年祈祷書)の公会問答は、「あなたの教名は何といいますか」で始まっていました。
 

 これは大きな違いです。といいますのは、『1959年祈祷書』では教会(公会)は自明のことと考えていたようで、私と神様との関係に重点を置いていました。それに対して今の祈祷書は「教会とは何か」という問に対して、「主イエス・キリストにあって神に生きるすべての人の集まりで、神の家族、キリストの体」と答えます。私と神様との関係はもちろん大切ですが、その私は、キリストを頭とする肢体であり、キリストの体である教会を構成する大切な一人なのです。つまり個としての私は教会共同体の構成メンバーでもあるのです。
 

 

 

教会って何? 「部分が互いに配慮し合っています。一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。」

(コリントの信徒への手紙Ⅰ 12・25~27)

 

 

 修養会の詳しい報告は『あけぼの』紙上でもあると思いますが、参加者は5つのグループに分かれて、「教会とは何か?どのような場なのか?」ということについて、作業手順に従って思いや考えを分かち合いました。
 

 結論が出たわけではありませんし、今後の課題なのですが、少なくとも教会は、「互いに配慮しあい、共に苦しみ、共に喜ぶ共同体」でありたいと思います。

 

教区主教 あけぼの2018年11月号