教区報

主教コラム

欅並木から 第5回「ヘイトクライム、ヘイトスピーチ」

stockvault-forest-scene1369255月27日から29日まで、第61回の日本聖公会定期総会が開催され、29の報告、35の議案が審議されました。多くの重要な報告や議案はありますが今は一つだけ。「ヘイトクライム(人種・民族憎悪犯罪)、ヘイトスピーチ(人種差別・排外表現)の根絶と真の多民族・多文化共生社会の創造を求める日本聖公会の立場」を明らかにしようとの議案が審議され可決しました。その中で実際に路上で行なわれている「ヘイトスピーチ」の映像が紹介されたのですが、本当に凄まじいものでした。韓国・朝鮮の人たちへのものが中心でしたが、「いやがらせ」等というレベルを超えて、本当に「殺すぞ」「出てこい」と激しい声で絶叫し、実際に身の危険を感じさせるものでした。その絶叫している中には中学2年生の女子だという映像もありました。対象とされる国の学校の生徒等は、恐怖で堪ったものではなく本当に申し訳なく思いますが、同時にそうした日本の若い人は何故そうした行為に駆り立てられるのだろうかと思わされます。おそらく実際に韓国、朝鮮の人たちと利害関係にあって対立した経験は少ないだろうと思います。何でもいいから、何か異質、あるいは少数者と感じるものに思いっきり憎しみをぶつけたいのでしょうか。理由が乏しいだけに余計恐ろしく感じます。「誰でもいいから殺したかった」という言葉も最近聞く言葉です。世界170か国が「人種差別撤廃条約」に批准している中、日本もそれは入っていますが、こうした「ヘイトクライム・ヘイトスピーチ」を規制し、犯罪と認める条項には批准していない、わずか5か国の一つだそうです。日本聖公会と韓国聖公会は、今年宣教協働30周年の記念の年を迎えています。歴史認識等を巡る厳しい国際関係も知りつつ、しかし信仰の交わり、宣教協力の経験、友情を積み重ねてきました。短絡的にならずに一歩ずつ歩むことを日本社会全体が重んじる必要を感じています。