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牧師からのメッセージ

平和

8月は1年の中で最も暑い時です。そして、「平和」を願う時でもあると思います。
8月6日の広島原爆記念日、9日長崎原爆記念日、15日終戦記念日を迎えます。太平洋戦争が終わって今年で79年を迎えます。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ・ガザヘの激しい報復攻撃は出口が見出せない戦争となっています。
新約聖書に「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイによる福音書5:9)というイエスの教えが記されています。平和を実現するとはどういう意味なのでしょうか。新約聖書は、元々はギリシア語で書かれており、平和はギリシア語で「エイレネー」といいます。意味は「神さまのみ心に従うことで得る心の安らぎ」です。単に喧嘩をしない、戦争をしないということだけがエイレネーの真意ではなくむしろ神さまのみ心にしたがうことと理解してもいいのではないでしょうか。
「神さまのみ心」とは生きとし生けるものすべての命の尊厳が尊ばれるために私たちが出来ることを丁寧に着実に行っていくことです。「命こそが何よりも尊いものである」ことがイエスの中心メッセージです。「平和を実現する人々は幸いです」のイエスの言葉を心に留めて生きていきましょう。

司祭 ステパノ 越山 哲也

イースター

教会では3月31日にイースターを迎えました。この日に教会は「あなたはみ子の力ある復活により、罪と死の古い支配の力に打ち勝ち、み子にあって万物を新しくしてくださいました」と難しい言葉でお祈りをします。
ではイエスは復活を通して私たちの何を「新しく」したのか。それは色々とありますが、その中の一つに「一人一人の命を大切にする心」を新しくしてくれたということがあるのです。
イエスが生きた時代は差別も偏見も当たり前、生まれつき病気だったら、人と少し違ったら、もうそれだけで生きていくのが難しいような世界でした。しかしそんな世界でイエスは当たり前のように、差別されていた人、病気の人、あらゆる人と交わり癒やし、その一人一人を大切にしたのです。
これが実は大変に「新しいこと」だったのです。ひょっとしたら「そんな当たり前のこと」と思うかもしれません。でもそんな私たちの「当たり前」を教えてくれたのがイエスの復活であり、今なおその「当たり前」を必要としているすべての人々に力をくれるのが「イースター」なのです。
もしそんな「当たり前」に触れてみたくなったなら、近くの教会を訪ねてみてください。きっとそこでは良い出会いと、イースターの力を受け取れるはずです。

司祭 パウロ 渡部 拓