主教室より

日本聖公会東北教区へようこそ

東日本大震災4周年記念聖餐式

東日本大震災4周年記念聖餐式

日本聖公会11教区の中で、東北教区の範囲は東北6県、大変細長く広い地域です。その中に17の教会、3伝道所、そして15園の幼稚園、1つの保育園があります(2023年現在)。アメリカからのミッションに由来するカトリック的な伝統を重んじつつ、もちろんそれぞれの地には独自の宣教の歴史があり、海外からの宣教者、日本人教役者の並々ならぬ労苦があり、多くは100年を超える歴史をもって、地域に根ざした働きを続けてきました。最初の宣教は福島から始まっており、2011年に東北教区は教区宣教120年を祝おうとして、準備していました。

 

その2011年3月11日に東日本大震災が起こりました。最初の2年間は日本聖公会としても初めての全教区的な活動「東日本大震災被災者支援『いっしょに歩こう!プロジェクト』」が仙台を拠点に東北地方の太平洋側沿岸・被災地全体にわたって活動、本当に多くの方々が東北の地で働き、また訪れてくださいました。東北に初めて来たという方も多くありました。2013年6月から2015年5月までは、東北教区は「だいじに・東北」という名称をもって、被災者支援の働きを継続、「だいじに」はケセン語による新約聖書翻訳で知られる医師・山浦玄嗣氏の翻訳から「互いに愛し合いなさい」(ヨハネ福音書15章)の「愛し合え」<ダェズニ>からいただいた言葉でした。2015年6月以降も、被災地にある教区として、大震災を覚え続け、祈り続けようとしています。

 

そして言うまでもなく、福島県には東北教区の教会、幼稚園があり、東京電力福島第一原子力発電所の大きな災害、事故以来の困難に向き合う日々が続いています。日本聖公会の「原発と放射能に関する特別問題プロジェクト」が郡山聖ペテロ聖パウロ教会の会館に拠点を置いて活動しています。

 

被災者支援と申しましたが、目に見える形、あるいは目に見えない形で、東北教区の信徒方の中にもさまざまなダメージもあります。目に見える形では教会、幼稚園・保育園、会館、牧師館等の再建、改修、補修等も少なからずありました。それらに対しては日本聖公会全体から、また海外聖公会はじめ国内外から多くの支援をいただき、またお祈りと励ましをいただいてきました。心から感謝申し上げます。

 

弘前昇天教会のバラ

弘前昇天教会

東北には豊かな自然があり、美しい山河、豊かな海の幸、山の幸、日本酒の恵みがあり、また多彩な祭り、民謡、民話があります。同時に多くの地域は豪雪地帯としての労苦も担っています。また東北だけではありませんが、大都会を中心とした日本の近代化、経済成長、現代社会の諸課題の中で、「地方」(大都会圏を含まない地域)が持つさまざまの課題があります。そうした中で、キリスト教、とくに世界に広がるアングリカン・コミュニオンの枝であり、その豊かな伝統をもつわたしたちの教会が、どのように生き生きと日々の礼拝を捧げ、働き、神の国の福音を、その喜びを語り伝えていくことが出来るのか、これからもチャレンジが続いていきます。

 

このホームページをご覧いただいてありがとうございます。時代が求めるようなスピード感には、必ずしもいつもご期待には応えられないかも知れませんが、関係者一同努力しています。どうぞご覧いただきたいと思います。そしていつの日か、直接にお訪ねいただくことを楽しみにお待ちしています。

主教経歴 

主教 フランシス 長谷川 清純(はせがわ きよすみ)

  • 1958年 秋田県三種町(旧琴丘町) 生まれ
  • 1981年 同志社大学神学部卒業、京都教区聖職候補生認可
  • 1984年 ウイリアムス神学館卒業
  • 1985年 執事按手、1986年 司祭按手
  • 1991年 東北教区に移籍。教区10の地域での牧会、立教新座中学校高等学校チャプレン勤務に従事
  •  東日本大震災発生後、「東北教区東日本大震災支援室」室長、日本聖公会東日本大震災被災者支援「いっしょに歩こう!プロジェクト」プログラムディレクター、東北教区東日本大震災支援室「だいじに東北」リーダー、東北教区東日本大震災被災者支援プロジェクトリーダー等を務めた
  • 2023年4月22日 主教按手、第9代教区主教就任
  • 現在、日本聖公会正義と平和委員会委員・原発問題プロジェクト長