東日本大震災被災者支援プロジェクト

説教

東日本大震災13周年記念の祈り(福島聖ステパノ教会)

いのちの分かち合い

 

主よ、わたしの岩、わたしの贖い主よ。どうか、わたしの口の言葉が御心にかない、心の思いが御前に置かれますように アーメン

 

本日も皆様に神様の祝福がありますように!

 

 

2011年3月11日の東日本大震災から13年が経ちました。私たちは各会場教会でそれぞれ礼拝をささげて祈り、ここ福島聖ステパノ教会では、私が対談する形式で片岡輝美さんから「福島からのメッセージ」を聞いて、原発事故後の現況を知らされてキリストを信じる者として、何かしら行動しようとしています。

 

毎年何処で大規模な自然災害が起きています。今年は1月1日に能登半島地震が発生して私は震えおののきました。瞬間的に、志賀原発はどうなっているか、が頭をよぎりました。大地震と原発事故が絡みます。原発立地地域は日本各地のいわば過疎地であり、同時に大体は震源地近郊でもあります。大地震と津波が起きる度に、私たちはいのちの危険に晒されるているのです。

 

能登半島地震は半島全域で陸地の隆起があって、輪島市門前町黒島町では4mも地盤隆起しました。液状化も起き、加えてわずか3分後に津波が押し寄せていました。7万5千棟余りが家屋倒壊、道路の寸断があちこちで発生し何カ所も一時孤立地帯となりました。犠牲者は241人、安否不明者7人にも上ります。広範囲に渡って停電となり未だに断水が長期間続き、ライフラインがストップしました。辛うじて避難所に避難された人たちでも、真冬の寒さに震えました。2か月と11日経っても、1万人以上が避難所生活を余儀なくされています。それとは別に、断水している自宅で不自由な生活をされている自宅避難者が4,500人以上にも上っています。大きな不安がいつ解消されるのか見通しが全然立っていません。まさに過酷な状況です。
13年前の東日本大震災では、福島県新地町が早くも5月には仮設住宅に入れましたから避難所生活の期間が2~3か月間でした。それでも大変な気苦労と心労を抱えたのでした。

 

当日、震災後間もなく緊急支援物資が全国から海外から大量に寄せられました。多くの方々が津波で一切を失ってしまった人たちに対する、何かしたいという差し迫ってくる要請のような気持ちが、そうさせたのでしょう。

 

 

そんな中で、私は南三陸町志津川支援に行った際、ある逸話を聞かされました。南三陸町の、とある小さな村の人々の行動の話しを、私は生涯忘れられません。被災地から離れたお隣り集落代表が、海岸沿いで被災し孤立した集落の人たちに、いち早く食べ物を届けるぞ!と決めて、お母さんおばあさん方におにぎりを握らせ、リヤカーに積みました。何せ幹線道路は寸断され通行不能でしたから、裏の細い山道を行くしかありませんでした。決死の覚悟で運びますが、熱々を食べさせたいと考え毛布にくるんで運ばれたおにぎりはやや冷めましたが、大震災翌日には、震えていた被災者の口に入って空腹を凌ぎ、人心地と大きな感激の涙と温かな気分に包まれて感謝が伝えられたのでした!
福島県新地町福田小学校体育館避難所でも、やはり震災の翌日に、津波が到達しなかった周辺地区の住民が、おにぎり味噌汁を差し入れました。農家も多いですからお漬物も野菜も差し出されました。

 

私たちは、何度もこのような経験を重ねました。栃木県にアジア学院というアジアの人たちのための農業従事者養成学校がありました。大震災後閉鎖になってしまっています。その学校から、卵やお肉が売れなくなっている、必要ないかという情報をもらい、お肉を釜石のとある小さな漁港の集落に宅配しました。クロネコヤマトが奮闘してくれました。新地町にも肉を持って行きました。それまで避難所で食べるカレーは野菜カレーでしたが、その時は肉入りカレーとなって、人々がほんとうに美味しかったと満面の笑みでした。大量の卵も人々に分けて配ってとても喜んでもらいました。

 

つまりは、寄せ集められた思いやりの心が、人々を満腹にします。寄せ集まった労りのお気持ちがささやかな幸せを生むのです。

 

 

「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」とイエスさまを試そうとして言ったら、「あなたはどう思うのか?」と、逆にイエスさまに問われた人が、「神を愛し敬い、隣人を自分のように愛すること」と答えると、「正しい答えだ!。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」と促されます。行いの人にキリストのいのちが宿るのです。
このいのちを分かち合う人になれますようにと、皆さんお互いに祈り合ってまいりたいと思います。そのような人を神様はお喜びなさいます。

 

 

父と子と聖霊のみ名によって アメーン

 

 

主教 フランシス 長谷川 清純

 

(2024年3月11日 福島聖ステパノ教会にて)

主教 フランシス 長谷川 清純