教区報
主教コラム
欅並木から 第14回「韓国との交流、協働のこと」
李贊煕司祭がご家族と共に、日本、東北教区に来られたのが2009年11月、それから東北教区での働きが始まりました。大韓聖公会と日本聖公会の間で交わされている宣教協働者派遣の協定によって李司祭はこの11月で2期6年を終えられますが、さらに3年の延長の契約を交わすことになっています。李司祭の健康と働き、またご家族のためお祈りし、ますます多くの教区の皆様との良い交わりが出来ますよう願っています。
一方、東北教区と大田教区の交流、宣教協働は2005年から始まり、現在10年目となりました。1期3年の3期9年が過ぎ、昨年教区会から新たな5年間の交流延長が始まっています。
東北教区の長い歴史の中で、ルイジアナをはじめ、いわゆるアメリカ、ヨーロッパのキリスト教には馴染みがあっても、アジアのキリスト教、韓国との交流はほとんどなかったのではないでしょうか?
それでも皆様が李司祭との交わり、韓国との交わりを自然に喜んで受け入れてくださったことは素晴らしいと感じています。
わたし自身、聖公会の司祭の家庭に生まれ育ちましたが、目はいつも「欧米」を向いていたと思います。神学生になって初めて、韓国との出会いがありました。日韓の歴史のこと、在日韓国朝鮮人の人たちの日本社会での労苦のこと、それらを知るにつれ、また最初は緊張感を持ちながらも韓国の友人が出来るにつれ、わたし自身が「自分が日本人である」ことを自覚し、いわば「自分は何者なのか」という問いに向き合うためには、どうしても韓国が必要だと思うようになったのです。政治的には難しい状況が続いていますが、そういう中でも絆を強めていく日韓聖公会の交わり。どうぞこれからも積極的な関心を持っていていただきたいと願います。
(教区主教)
あけぼの 2015年11月号