教区報
主教コラム
ほそ道から 第5回「痛みを共に担うには」
6月24日(日)、礼拝堂聖別一周年を迎えた磯山聖ヨハネ教会を巡回しました。加藤主教様を始め信徒の皆さんと感謝の聖餐式をお献げした後、午後は祈りの庭での短い黙想、そして祈りの庭から海に向かって車で3分の所にある、磯山展望緑地に移動しました。
ここには、磯山の信徒の方々をはじめとする埒浜地区有志の方々の寄付によって、歌碑が建立されていました。碑には歌人の本多俊子さんが詠まれた、次のような歌が刻まれています。
磯山の
枯れ葦原乃 津波跡
舞ひていとほし
鎮魂の雪
いろいろな哀しみが漂う、声にすると涙もこぼれそうな、そんな歌でした。
阪神・淡路大震災から23年、東日本大震災から7年。それ以降、どれだけの自然災害が起こり、多くの人々の命が失われ、傷つかれたことでしょうか。昨年から今年だけでも、九州北部豪雨や大阪北部地震、先日の西日本豪雨など、「想定外」という言葉が色あせるほどの災害が頻発しています。わたしたちはどうしたらよいのでしょうか。
神様にかたどって創られた人間に委ねられた任務、神様が極めて良いものとして創造された世界の管理責任(創世記第1章)を、人間が御心に適うように果たしているだろうか? それが問われているように思えてなりません。
神戸教区では倉敷と広島にボランティアセンターを立ち上げ、近くボランティアの募集を始めるそうです。それに参加することも私たちの任務の果たし方でしょう。参加できなくても、日々の祈りをもって支える、それも大切な働き、任務の果たし方だと思います。私たちが自分のできるやり方で、痛みを共に担うことができますように。
教区主教
あけぼの2018年8月号