教区報

主教コラム

礼拝堂探検隊 第9回「聖歌表示板」

 

チャンセルに上がる前に目に入るのは「聖歌表示板」。この正式名称は分かりませんが、その日の礼拝で歌う聖歌の番号を知らせる道具です。形は教会によってさまざま、最新式では電光掲示板式のものもあります。

 

聖歌番号を知らせるという意味では、別になくてもよいかも知れません。聖歌番号は週報に印刷してありますし、歌う直前には司式者やサーバーが番号を告げるのですから。

 

しかし教会は目の不自由な方、耳の不自由な方にも開かれています。高齢の信徒の方々が増えるにつれて、今の聖歌集では重過ぎるという声もありますし、アナウンスの声が聞こえにくくなったという方もおられるでしょう。

 

 

そこで教会によっては、パソコンとプロジェクターなどを用意して、少しでも見やすくなるような工夫をしているところもあります。また一人一人の人に音が聞こえるように、会衆席に小さな個人用スピーカーを着けているところもあるそうです。あるいは手話通訳者がおられる所もあります。「聖歌表示板」はその中でも、最も古くから愛用されている「会衆をサポートする道具」なのかもしれません。

 

それともう一つ、この表示板は聖歌番号だけでなく、その主日の名称も示しています。これは今がどのような時(神様の時―カイロス)かを知らせているのです。

 

いずれにせよ、福音はすべての人に開かれています。神様はすべての人に福音がとどくことを望んでおられます。そのために私たちのできること、神様の宣教の業に奉仕できることを見出していきたいものです。

 

(教区主教)