教区報

主教コラム - 昨日も今日も、またの記事

「昨日も今日も、また」2024年6月

 

4月人事異動で青森聖アンデレ教会管理牧師を辞し、仙台聖フランシス教会管理牧師に着任しました。青森では4年という短期間の牧会でし。2020年4月、8年勤務した仙台基督教会から移った時は定年退職まで残り8年でしたから、きっと最後の異動だろうと思いこの地に骨を埋める覚悟でした。ウイリアムス神学館在学中に教授たちや先輩の神学生たちから「主教に派遣された地で死ぬ覚悟を持て!」と意気込みを伝授されたもので、素直な私はどんな時もどこであろうとも、遣わされた土地で殉教したら本望と心得てきました。
引越当日4月8日は快晴、4年前青森に入った日は冷たい雨だったのにと述懐しました。合見積の結果発注した引越業者は、青森の幼稚園がいつもお世話になっており、ご厚意による員数と台数で2時間半ほどで荷積み完了、恵まれて感謝でした。夕刻には仙台入りができ、疲労も少なく
有り難いことでした。

翌4月9日は聖クリストファ幼稚園始園日ということもあり搬入は午後になりましたが、朝から雨で止みません。寒さが加わった14時30分頃から開始するも、荷はすべて梱包され、他は段ボールですから物が濡れません。これもまた有り難いことです。牧師館はややコンパクトサイズで箪笥や大型家具を階段では2階に上げられません。2階の窓を外して吊り上げ方式となり、作業員全員が上下二手に分かれて「せーの」と掛け声揃えて力を合わせ、「うんとこしょ、どっこいしょ」と何とかすべてが各部屋に納まりました。この作業に取り掛かる時には雨があがっていたのは誠に幸いなことでした。完了時刻19時57分、私たちは玄関前に円陣を組んで、有り難うとおめでとう、お疲れ様と声掛け拍手して解散したのでした。

青森でもフランシスでも信徒たちがお顔を見せてくださり心強く本当に感謝でした。「雨降って地固まる」私の引越物語です。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2024年7月

 

5月25日(土)午前11時から、大田教区設立59周年記念と主教座聖堂礼拝堂聖別式が執り行われ、私は常置委員長赤坂有司さんと李贊熙司祭と3人で参列しました。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給と資材高騰の煽りで工期が遅れ、建設工程の98%の段階です。3階の聖堂は桁外れに高く、天を見上げる感じの空間です。困難な時代に大聖堂を建立奉献する一大事業を成し遂げられたことに対して、私は心からの敬意と称賛を贈りました。

 

式の最後に設計監理者と施工者への感謝盾贈呈式と、タンザニア聖公会タンガ教区と大田教区の姉妹教区締結調印式が行われました。大田教区テトス主教は司祭時代から水に困っていたタンザニア聖公会に援助しており、この度マインボ首座主教と正式調印してその支援を教区レベルに格上げして充実されるのです。

 

その後で、私は東北教区からお祝いの「会津絵ろうそく」をお渡しして「信仰の火」「宣教の炎」を灯し続けてくださいと挨拶しました。かねてより友好関係があったマレーシア聖公会のヤコブ司祭からも大田教区のテトス主教にプレゼントがありました。今年大田教区40名の教役者たちの半分が、マレーシアで研修を開く計画だと聞かされて、その国際性の意識の高さに学ぶところ大でした。

 

翌日の主日聖餐式で説教しましたが、逆の場合でも私も同様にテトス主教に説教を依頼することでしょう。そう遠くない時期にご訪問していただきますようにとラブコールしましたら、会場で賛意の笑い声が広がったのにはウキウキさせられました。

 

主教同士の行き来だけでなく、信徒や教役者の相互訪問が活発化されて両教区の主にある交流が深められ、宣教が拡大されますようにと願うものです。そのためにお互いにもっともっと多く出会い、理解し合い、祈り合うパートナーの絆を太くしたいと願いました。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2024年10月

 

USPG(United Society Partners in the Gospel)の主催するリーダーシップトレーニングが、7月3日から23日まで栃木県那須塩原市にあるアジア学院を会場にして行われ、世界中から聖公会の青年たち9名が参加しました。

国別では、イギリス、パプアニューギニア、バングラデシュ、ブラジル、パレスチナ、そして日本でした。

 

プログラム中頃の7月12日に、私はアジア学院を訪問し参加者たちに東日本大震災についてお話ししました。
大地震と巨大津波と東京電力福島第一原子力発電所爆発事故による放射能被害、避難者のご苦労、
13年4カ月後の現況等を、スライドと、最新の福島県地図と東北地図を広げながら、想像できているかを随時確認しながら説明しました。
青年たちは熱心に耳を傾けて、時に目頭を熱くし、時に暗い顔をして痛みや怒り、悲しみ、口惜しさの感情を表していました。
彼らの感受性に接し、私は不思議と救われた思いで一筋の光を見ていました。

 

翌13日は朝から中型バスに同乗しての福島フィールドワークでした。福島県富岡町夜の森公園を経由して国道6号線に入り北上、車中から立入禁止の看板や倒れたままの家屋、大熊町で原発内の大型クレーンを目にしました。
初めて訪れる震災遺構浪江町立請戸小学校に立ち寄り、英語のガイド書を読みながら、さび付いた建物内を約1時間見学しました。日頃の避難訓練や津波に対する危機意識の重要性、また逃げている人同士の助け合いが奇跡を生んだ事実を知って、衝撃と感動を受けたと話す青年がいました。
最後に、新地町の祈りの庭で磯山聖ヨハネ教会信徒から大震災後の教会再建の苦労話を聞き聖餐式を献げ、その後磯山聖ヨハネ教会でアイスをほおばり信徒との語らいを持ちました。

 

この貴重な体験を今後の信仰に肉付けして、命の尊さを忘れずにと願ったことでした。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2024年12月

 

今年は韓国に3回も行かせていただき、なんという恵みでしょう。5月大田主教座聖堂聖別式、9月ソウル教区主教按手式、10月日韓聖公会宣教協働40周年記念大会で済州島を訪ねたわけです。大会には日本聖公会から45名、大韓聖公会から32名、プラスACC総主事とカンタベリー大主教主席補佐官らの特別参加があって総勢80名が集まり、3泊4日のプログラムで行われました。東北からは青年2名と、李贊熙司祭です。1人の青年はハングルが流暢で、青年たちとのおしゃべりを楽しんで快活だったことに、未来への希望を感じました。

 

大会テーマは「和解」で、2日目は終日日韓の現場からの声を聴き合い、分かち合いました。私は「自然との和解」
の部で、原発のない世界を求めている活動報告をさせてもらい、発題後共感する人たちに握手を求められ感激でした。

 

参加者たちは2度オンラインで事前学習をして大会に臨んでいます。それがとても役立ちました。日韓宣教協働の
歴史と済州島の2つの歴史を学んだのです。1945年8月15日以降、アメリカ軍事政府から約5年間、済州島民は虐殺と処刑の迫害を受けた歴史を私は初めて知りました。「4・3事件」と呼ばれています。3日は済州4・3平和公園に出かけ犠牲者追悼礼拝を献げ祈り、平和記念館を見学し、戦跡フィールドワークしました。私は沖縄が重なってきて、たいへん心痛み気持ちが重くなりました。その後、昨年礼拝堂聖別式が行われた済州友情教会に隣接して建てられた「済州日韓友情の家」の祝福式が、両首座主教の朴東信(パクドンシン)主教と上原榮正主教の共同司式により挙行されたのは目に見える和解と友好のしるしです。

 

 

友情の家は宿泊施設で日本聖公会の方には2025年中無料で貸し出されます。和解と平和、風と聖霊の島を旅する際はご利用できます。申し込みは長谷川まで。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2025年2月

 

昨年11月17日、仙台聖フランシス教会での主日聖餐式で「誕生感謝の祈り」を執り行いました。仙台市にお住いの札幌聖ミカエル教会信徒ご夫妻に、10月初めての赤ちゃんが誕生しました。札幌から父親のご両親も
駆けつけ家族揃って感謝を献げられました。式の間赤ちゃんの元気よい泣き声が聖堂内狭しと響き渡って、会衆は清々しく幸せな気持ちに包まれました。神様からの賜物の大きさを想い、赤子の成長と家庭の平安のため、また3人の親子に豊かな祝福をお祈りいたしました。
 
 

12月、青森聖アンデレ教会と弘前昇天教会の2教会と、聖マリア幼稚園、聖アルバン幼稚園、聖ヤコブ幼稚園そして明星幼稚園の4園で礼拝とクリスマス会を持ちました。少々あった疲労よりもお恵みのラッシュで神的な栄養をたっぷり頂いて心は健康です。

 

降誕日、弘前での聖餐式に自分の教会で礼拝ができなかった青森の信徒たちが勢い立ってレンタカーに乗り、11名が出席してさながら合同礼拝でした。祝会は昇天教会の皆さんが豪勢なオードブルを用意されて歓談に花が咲き、予期せぬ温かな信徒の交わりが展開されて感謝な一日でした。

 

今冬の青森は50年で3度目の記録的な大雪で、12月に積雪1m超えは滅多にない現象です。私が青森聖アンデレ教会に異動した2020年の冬がその1回で、赴任1年目に豪雪の大歓迎を受け、雪国の洗礼を受けたのを思い出しました。北の国では当たり前のことで特別驚くものではないですが、除排雪や寒さを忍耐し暮らすのは大変です。そういう環境に慣れ親しみ、何かで楽しまなければやはり辛いだけになってしまいます。
 暗くホワイトな午後に園児さんたちが演じる聖劇は、神様の愛のぬくもりとキリストの光を強烈に感じさせるものでした。子どもたち、保護者さんたちと先生方に神様の祝福がいっぱいありますようにお祈りいたしました。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2025年4月

 

1月、2月も管理教会がある青森と弘前を往復しましたが、今年の大雪にはひどく影響を受け、悩まされました。奥羽本線運転見合わせが何度もあって、1月4日は八戸の聖餐式後弘前に行くために駅に向かうと、無理との
こと。思案していると仙台行新幹線にキャンセルが出たというので、予定を変更し弘前は諦めました。信徒もこの大雪では交通も安全も脅かされると教会委員で相談の上、礼拝を休止としました。
2月5日から7日は西日本が寒波と大雪の中で、熊本を会場に主教会。帰路予約していた伊丹空港経由仙台着を断念し羽田空港に変更、東京駅から新幹線で帰宅。
2月19日、前日チーム北国会議の札幌から青森空港への飛行が怪しく、急遽札幌から新函館北斗を経由し新幹線で青森へ。翌日、奥羽本線運転見合わせで鉄道では弘前に行けず。スマホ検索して新ルートを発見、青森空港経由でリムジンバスを乗り継いで弘前に到着。
20日帰路、運転再開で電車に乗るも北常盤駅でポイントを切替できず約2時間停車。代行バスで新青森駅へ。
3時間遅れで帰宅。 足止めを食らった時、目的地に辿り着くのに頭を柔軟にします。計画や予定に縛られず、変更を躊躇しない、それが打開の秘訣かと貴重な体験を積みました。ラインホルド・ニーバーの祈り「変えられる
ものを変える勇気」が少し解りました、感謝です。
有我忠幸聖職候補生が聖公会神学院の「特任聖職・特別オンライン講座」1年間の受講を終了しました。次のステップに進みます。4月からは国分敬子さん(郡山)と白鳥五大さん(青森)のお二人が「信徒の奉仕・召命コースオンライン講座」を受講します。諸経費は研学資金で援助します。二人とも信徒奉事者です。
東北教区の信徒奉事者47人は日本聖公会で3番目に多い人数。信徒の奉仕の働きの広がりを願う中、今まさにチームミニストリーを推進しようとしている我が東北教区に弾みが付くと、私はとても喜んでいます。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2025年7月

 

東北教区北海道教区合同教役者会が5月26日~28日、北海道教区の担当で開かれました。今回の主要テーマは、新教区設立に向けての現状と課題で、参加者はチーム北国メンバーから現状を聞き感想や意見を2日間語り合い、一歩も二歩も前向きに指向されたと思います。

 

二日目、私はアイヌ文化センター「白老ウポポイ民族象徴空間」を見学する機会を得ました。国立アイヌ民族博物館では陳列物を見ながらアイヌの歴史と文化、言語に少し触れました。歴史コーナーにはジョン・バチラー、バチラー八重子、金成マツの名前が登場し書籍が置かれ、ビデオ紹介もありました。チーム北国から発行された絵本「北のあけぼの―さあ、光を灯そう―」を思い浮かべてmここに居たかという感じでした。

 

広谷和史司祭さんの講演記録「アイヌモシリに生きる―人間の静かな大地」で、言語学者の金田一京助が近代の教会(旭川の教会の前身」を訪ねたことがきっかけで、知里幸恵がカムイ・ユーカラを筆録し、彼女が19歳3か月の若さで死去後、その教会に平取から赴任していた伯母の金成マツが仕事を受け継ぎ、23年間に記したアイヌ語が大学ノート1万ページに及んでいたこと、知里幸恵編「アイヌ神揺集」の序文にこう書かれていると紹介しています。

 

「愛する私たちの先祖が起き伏す日頃、互いの意を通ずるために用いた多くの言語、言い古し、遺し伝えた多くの美しい言葉、それらのものもみんな果敢なく、滅び湯行く弱きものと共に消えうせてしまうのでしょうか。おおそれはあまりにいたましい、名残惜しいことでございます。」

 

そうなのです、言葉は命なのです。「万物は言によって成った。言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に成ったものは、命であった。この命は人の光であった。」(ヨハネ伝1:3-4)北の大地で私は、万有のことばに出会っていました。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2025年6月

 

4月23日、聖クリストファ幼稚園で誕生礼拝をしました。31年前、長男と長女が通った幼稚園で母校に帰ったような懐かしい感覚になりました。縦割りクラスの園児さんたちはまるで大人数の兄弟姉妹で生命力にあふれていて、私の魂が再生させられます。子どもたちから常に希望をもらいます。

 

4月12日、バルナバ小林聡師の主教按手式・大阪教区主教就任式に参列し、説教をさせていただきとても光栄でした。約400人の会衆は大きな大きな喜びに包まれました。大勢の子どもたちや青年たちが参列していて、陪餐のとき笑顔と神妙な物腰で祝福を受けていました。その光景に、私は明るい教区の未来を見ていました。

 

3月30日午後、奉仕のススメPart8が仙台基督教会を会場にしてハイブリッド形式で開かれました。加藤博道主教と弘前昇天教会信徒の畠山秀文さんがスピーカーをされ、オンラインで結ばれた各教会と個人の約90人が参加しました。チームミニストリーの意味や実践へのアプローチを模索する時となり、宣教と牧会を信徒と教役者がチームを組む、あるいは地域における協働の有り様を皆で考えました。これを機会にもっともっと主の御用をする働きを考えていきたいと思いました。

 

 

4月の教区関係逝去者は20名でジョン・マキム主教、司祭11名、執事2名、伝道師3名、宣教師3名です。加藤主教がよく話されましたが、教区には豊富な奉仕者たちが大勢揃って働かれておりました。すでに帰天された秋田や仙台の何人かの高齢信徒たちから、青年時代に牧師と路傍伝道に駆り出された経験を伺ったことがあります。あまり聞かれなくなった「伝道」が基本であると再認識させられている昨今です。私たちにとって「種蒔き」が本質です。「あなたのパンを水の上に投げよ、多くの日の後、あなたはそれを得るからである。」(コヘレトの言葉11:1)

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2025年8月

 

6月15日(日)、京都教区の京都伝道区合同礼拝・合同堅信式が主教座聖堂聖アグネス教会で催され、管理主教である私が司式説教を執り行いました。受領者は洗礼堅信1名、堅信6名の計7名で、9歳お二人、10歳、15歳、47歳、55歳、80歳の方々でした。親、子、孫といった年代で、それだけで一つの家族を見ているようでした。教会別では下鴨、桃山、聖アグネス、京都復活の4教会でした。

 

聖堂は約200人の会衆で一杯になり、大きなお恵みにあずかりました。コロナ禍で中断していた合同礼拝が復活されて、皆さんとても喜び嬉しくて、思いっきりの声で歌い賛美し、満面の笑みで主の平和の挨拶を交わして、礼拝後にはこんなに晴れやかな気持ちになったのは実に久しぶりだと、あちこちで感激の言葉が聞かれました。

 
中でも、礼拝後に堅信受領者が一人ずつ挨拶されたところで、10歳の子の「今日は僕のために集まってくれてありがとう!」との発言には、みんなの温かい笑い声が溢れました。私もプレゼントを手渡しながら「私たちは勿論、あなたのためにここに集まりましたよ」と返答し再び歓声と拍手が聖堂内に響き渡りました。主に感謝です!

 

 

私は、京都で過ごしていた時以来、実に34年ぶりにお会いする人たちもいて、懐かしいお顔を見ながら信仰に結ばれて、主に在る交わりにあるのは有難いことと実感しました。同時にこの場に来ることが叶わなかった人たちもおられると思うと、その人たちに神様のお支えとお守り、祝福がありますようにと祈ります。

 

 「神の御心を行う人は誰でも、私の兄弟、姉妹、また母なのだ。」(マタイ3:35)洗礼堅信された信徒たちも、そこに集った人たちも、様々な理由で来られなかった人たちも全員が主の家族です。神のみ心を常に追い求め、力を尽くして神様の愛にお応えしてまいれるようにと、神よりのお導きを祈るものです。

 

 

(教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2023年8月

先月、主教就任後一ヶ月余、本当に目まぐるしい日々でしたと書きましたが、二ヶ月目ももっとでした。この間、お二人の方が天の主の御許に召されました。八戸聖ルカ教会と青森聖アンデレ教会で、6月26日から29日まで4日間連続の葬儀となりました。

 

ヨハネ佐藤真実司祭は6月24日ご逝去されて、26日通夜の祈り、27日葬送式が八戸聖ルカ教会にて営まれました。真実司祭は70歳定年退職の前年2008年4月に、2度目となる八戸聖ルカ教会に赴任されました。退職後は嘱託聖職で2016年まで務められ、その後2年は礼拝協力をされていました。

 

真実司祭が退職後を暮らし、奉仕する場所として八戸を選ばれたのは、もちろん愛着があったからでしょうし、なによりも信徒の皆さんと一緒にいたかったとの思いが強かったからではなかったかなと推察します。つまり八戸聖ルカ教会は司祭に愛された教会です。

 

 

他方、信徒たちもまた司祭を敬愛されていました。葬儀を営むに当たり、20人弱の信徒の皆様方がほうんとうにご尽力をされました。全員が最善を尽くしご奉仕されておりました。例えば通夜の祈りの前に、祭壇を覆い尽くしているスタンド花の並び方一つにしても記にされて動かしていました。受付や司会等々役目を分担している各人が、気温が高くなってとても暑い中で汗を拭きながらも、心を込めて取り組まれているのを見て、私は感謝でございました。2011年3月23日に、最愛のお連れ合いの百合子さんに先立たれ、晩年には闘病生活となった司祭を見守り支えられた信徒のみなさまには本当に頭が下がります。心からの感謝しかありません。

 

教役者の終の住処は人それぞれでしょうが、もしあまりご迷惑をかけずに、愛する人たち礼拝と侵攻の語らいで暮らせたら、最高に幸せなことだと思わされたのでした。

 

 

<p style=”text-align: right;”> (教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2023年10月

 

秋田県は、7月14日から記録的大雨に襲われました。秋田市では、家屋浸水が約7千棟にのぼり、過去最多の被害に遭いました。少し時間が経過してからの詳報によると、秋田聖救主教会と聖使幼稚園の建物に被害はありませんでしたが、信徒宅1棟が水没、1棟が床上浸水、5棟が床下浸水、車両2台水没、また幼稚園児宅1棟の浸水被害が伝えられました。私は秋田に2度赴任し計8年牧会していましたから、とても心配しています。被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。痛手を受けても復旧に汗し、回復に向かっている中での酷暑は、精神的なダメージが大きかったのではないかと案じています。神さまの慰めとお力づけが与えられますように祈ります。募金や救援活動を教区単位ではしません。各教会において募金等のご協力をしていただければ幸いです。

 

 

盛岡で開催された東北教区保育連盟主催第49回保育者大会に全員出席した教役者たちは、続けて夏の教役者会を開きました。北海道教区笹森田鶴主教を講師に迎えて、北海道教区紹介とチーム北国報告を分かち合い、繋温泉の宿に1泊して交流を深めました。2日目は、教役者たちが日頃抱えている課題を出し合い共有し意見交換する貴重な時間を持ちました。コロナ禍になってからこのようにじっくりと対面での教役者会は開かれておらず、4年振りの開催で教役者たちの心が弾んでおりました。やはり、一つの場所で顔と顔を面と向かわせ語り合うのは楽しいものです。宿の主夫婦の振る舞いにも大いに笑わされて、リフレッシュされました。感謝でした。

 

 

8月中旬から新型コロナウイルス感染が拡大して第8波のピーク時を凌ぐ勢いです。気を緩めずに、改めて教会の礼拝と活動を適宜判断する慎重さが求められています。

 

 

<p style=”text-align: right;”> (教区主教)

 

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「昨日も今日も、また」2023年11月

 

9月23日、韓国奥率中央青年修練院講堂でテトス・キム・ホウク(金鎬旭)師の主教按手式が執り行われ、師は第8代大田教区主教に就任されました。式にはフィリピン聖公会、南アフリカ聖公会、インド洋管区、東アジア聖公会協議会、カンタベリー大主教特使など海外からの主教たちも多く参列、日本聖公会からは笹森主教、髙橋主教、高地主教、小林主教、矢萩管区総主事、私と李司祭が参列しました。タンザニア聖公会のマインボ・ムドラワ首座主教が説教され、米国聖公会総裁主教マイケル・カリー師からはお祝いのメッセージが寄せられ朗読披露されました。

 

 

大田教区内外から信徒、教役者、シスターら大勢が参列されて、行動の900席は満席で総勢おおよそ一千人が感謝と賛美に満ちて、大きな喜びを持って礼拝が献げられました。私は本当に素晴らしい時を共有していることを実感し、感謝しました。あの熱気、信仰の高揚感をそのまま皆さまに伝えられるものではありませんが、主教按手式はやはり特別で格別な礼拝だと改めて思わされました。

 

 

綿密なリハーサルがなされたようで、礼拝は滞りなく進行しました。陪餐後、教区主教着座、全教役者が新主教の前に立ち従順の誓いを交わし、それから全員で会衆に向かって聖歌を奉唱しました。会衆はうっとりと聞き入って、歌い終わると大歓声と拍手に包まれました。信徒たちと教役者たちが一体感に溢れ、一致した瞬間でとても印象深いシーンでした。私は、わずか4カ月前に主教按手されたばかりですが、早くも心新たにされた感でした。今後とも大田教区との祈りの交わりを深めてまいりたいと存じます。現在大田主教座教会は改築中で工事はやや遅れ気味ですが、来年4月には完成予定です。その際には、東北教区から是非お祝いに駆け付けたいと思います。

 

 

<p style=”text-align: right;”> (教区主教)

 

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