教区報
教区報「あけぼの」
「私たちはどう関わるか」2014年3月号
2014年3月11日、私たちは東日本大震災3周年を迎えます。「石の上にも3年」という諺があり、まあ3年も辛抱すればなんとかなる、3年食いしばって努力していたら何かしらものになってくるものです。
さて大震災後3年経った今日私たちは何を経験しているでしょうか。それは分断、格差、不公平、不平等、失意、落胆そして友情、親愛、絆、未来、夢と希望です。
今更言うまでもなく、被災地は一瞬にしてズタズタに切り刻まれ、特に放射性物質影響下にある地域コミュニティーは分断、人々は離散させられました。地域と住民は徹底的に破壊され、そこからの再生は並大抵ではありません。
しかし、ばらばらに引き裂かれたところにこそ、良きおとずれはやってくるし、お大事に=愛が生まれるのです。復興進捗の格差の増大、仮設や 避難先で暮らす皆さんの複雑 さを増す心情、高まる焦燥感があるけれども、それでも良きおとずれが告げられています。なぜなら、イエスさまのみ心は「わたしたちが一つとなるために」世を去られたからです。(ヨハネ伝17:11)イエスさまがかの地で葛藤している住民に語りかけ、抱擁し、同席し食事をされた行為こそ私たちの模範です。
「センターしんち」は被災者支援の中心な場所です。さきあみコースターやいちごストラップ、十三浜ワカメ、障がい者施設まどかやワークショップひまわりの製品購入支援は、全国の信徒との繋がり、遠方からの心が寄せられている証明で被災された皆様を元気づけます。ひまわりの所長さんは、会うたびごとに満面の笑顔で繰り返し感謝を口にされます。
現地を直接訪ねる巡礼や、それぞれの教会で祈ることは信徒の務めです。「だいじに・東北」を通じて教会信徒や幼稚園・保育園施設関係者が、被災された人との関係を持ち続けていく事は信仰上の大切な問題です。関係していくことは奉仕であり、尊い行為に他なりません。数ヶ月前、仙台市太白区にあるまどかカフェに、仙台基督教会と仙台聖フランシス教会の信徒がお客さんになり、その後は5日間、女性たちは繭玉オーナメント作りを手伝いました。これこそは教会の精神です。
昨年12月23日、外国人のための日本語学校で学んでいたフィリピン人女性たちと家族約30人はクリスマス会をしました。仙台基督教会仮礼拝所での聖餐式は、タガログ語で朗読、代祷は英語、聖歌にはフィリピン人におなじみの1曲が歌われ、なんとも国際的な礼拝でした。「だいじに・東北」オフィスでの昼食祝会は楽しすぎて、新聖堂完成後も礼拝と集いを催していきします。
「わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたがわたしをお遣わしになったこと、また、わたしを愛しておられたように、彼らをも愛しておられたことを、世が知るようになります。」(ヨハネ伝17:23)
教区の各教会が被災地での平和のメッセンジャーとして福音宣教奉仕にかかる時生じる費用は、「だいじに・東北」から援助する仕組みができました。遠慮なくオフィスまで問合わせください。だいじに・東北のポスターとパンフレットが配布されますから多いにご活用いただければ誠に幸せです。
あけぼの 2014年3月号より
支援室室長 司祭 フランシス 長谷川 清純